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帯状疱疹とはどんな病気?
帯状疱疹とは
帯状疱疹は、水痘(みずぼうそう)と同じウイルスで起こる皮膚の病気です。多くの方が子どもの頃に感染する水痘ウイルスが原因で起こります。
水痘(みずぼうそう)が治ったあとも、ウイルスは体内(神経節)に潜伏していて、過労やストレスなどで免疫力が低下すると、ウイルスが再び活性化して、帯状疱疹を発症します。
帯状疱疹を発症すると、皮膚の症状だけでなく、神経にも炎症を起こし、痛みが現れます。
神経の損傷がひどい場合は、皮膚の症状が治ったあとも、痛みが続くことがあります。(帯状疱疹後神経痛)
帯状疱疹を疑う症状に気づいたら、できる限り早く医療機関を受診し、治療を開始することが大切です。
50歳代から発症率が高くなり、80歳までに約3人に1人が発症するといわれています。
帯状疱疹の症状
主に次のような皮膚の症状や痛みが現れます。
- 体の左右どちらか片側に症状が現れる
- 皮膚の症状が現れる前に、痛みが生じる
(一般に、数日から10日ほどズキズキ、ヒリヒリといった神経痛のような痛みが続く) - 赤い斑点状の発疹や水ぶくれが、神経に沿って帯状に現れる
- 皮膚の症状が現れると、ピリピリと刺すような痛みになる。夜も眠れないほど激しく痛む場合がある
※神経の損傷がひどいと、皮膚の症状が治ったあとも痛みが続くことがあり、その期間は個人差があります。
治療方法について
原因となるウイルスを抑える抗ウイルス薬や、痛みに対する痛み止めなどが使われます。帯状疱疹の痛みは発疹とともに現れる痛みとその後神経が損傷されることにより長く続く痛みに分けられ、それぞれに合った痛み止めが使われます。
皮膚の症状は、およそ3週間ほどで治りますが、特に高齢の方は、症状が長引いたり、発疹は治ったのに痛みが残ること(帯状疱疹後神経痛)があります。
帯状疱疹になった人の10~50%程度が帯状疱疹後神経痛を発症すると報告されていますが、高齢であればあるほど帯状疱疹後神経痛を生じる可能性が高まるとされています。
帯状疱疹はうつるのか?
帯状疱疹としてうつりませんが、水痘(みずぼうそう)としてうつる可能性はあります。
水ぶくれにウイルスが含まれているため、水ぶくれが乾燥してかさぶたになるまでは、水痘(みずぼうそう)の罹患歴のない方にうつると水痘(みずぼうそう)を発症する可能性があります。
特に新生児や、水痘(みずぼうそう)にかかったことのない妊婦さんなどは、感染すると重症化する場合がありますので、水ぶくれが乾燥してかさぶたになるまでは、なるべく接触を避けるようにしましょう。
予防方法
日常生活
帯状疱疹は免疫の低下が原因で発症するため、日頃からの体調管理がとても大切です。
- バランスの良い食事
- 質の良い睡眠と十分な休養(成人の場合、約6~7時間前後の睡眠が目安)
- 適度な運動(ご自身が疲れすぎない程度)
- リラックスできる時間をもつ(趣味等)
予防接種(任意接種)
50歳以上の方は、ワクチンを接種することによって、帯状疱疹の発疹を抑えたり、重症化を防ぐことができます。
※65歳の対象者(特例含む)については、令和7年4月1日より、定期接種(自己負担要)となりますが、対象者に該当しない方は、個人の判断にて接種を行う「任意での予防接種」となり、接種を希望される場合は、費用は自己負担となります。ワクチンは2種類(乾燥弱毒性生水痘ワクチンと乾燥組換え帯状疱疹ワクチン)があり、接種回数や費用などに違いがありますので、必ず医師にご相談ください。
※一度でも任意接種を受けると定期接種の対象となることはできませんのでご注意ください。
65歳の対象者(特例含む)の詳細はこちらをご確認ください。
名称 | 乾燥弱毒生水痘ワクチン | 乾燥組換え帯状疱疹ワクチン |
種類 | 生ワクチン | 不活化ワクチン |
対象 | 50歳以上 | 50歳以上または帯状疱疹に罹患するリスクが高いと考えられる18歳以上の方 |
接種回数 | 1回 | 2回(1回目との接種間隔は2か月以上空ける) |
費用(目安) | 約1万円程度「全額自己負担」 | 約4万円から5万円程度(2回で)「全額自己負担」 |
接種方法 | 皮下注射 | 筋肉注射 |
※任意接種ができる医療機関等については、かかりつけ医などにご確認をお願いいたします。
ワクチンの効果
いずれのワクチンも、帯状疱疹やその合併症に対する予防効果が認められています。
帯状疱疹に対する効果 | 生ワクチン | 不活化(組換え)ワクチン |
---|---|---|
接種後1年時点 | 6割程度の予防効果 | 9割以上の予防効果 |
接種後5年時点 | 4割程度の予防効果 | 9割程度の予防効果 |
接種後10年時点 | - | 7割程度の予防効果 |
※合併症の一つである、帯状疱疹後神経痛に対するワクチンの効果は、接種後3年時点で、生ワクチンは6割程度、組換えワクチンは9割以上と報告されています。
ワクチンの安全性
ワクチンを接種後に以下のような副反応がみられることがあります。
頻度は不明ですが、生ワクチンについては、アナフィラキシー、血小板減少性紫斑病、無菌性髄膜炎が、
不活化(組換え)ワクチンについては、ショック、アナフィラキシーがみられることがあります。
主な副反応の発現割合 | 生ワクチン | 不活化(組換え)ワクチン |
---|---|---|
70%以上 | ― | 疼痛 |
30%以上 | 発赤 | 発赤、筋肉痛、疲労 |
10%以上 | そう痒感、熱感、腫脹、疼痛、硬結 | 頭痛、腫脹、悪寒、発熱、胃腸症状 |
1%以上 | 発疹、倦怠感 | そう痒感、倦怠感、その他の疼痛 |
- ワクチンを接種した部位の症状 各社の添付文書より厚生労働省において作成したものを参照。
接種を受けられない方
以下の方は、接種を受けることができません。
- この予防接種の接種液の成分によってアナフィラキシーを呈したことがある方
- その他、予防接種を行うことが不適当な状態にあると医師が判断する方
また、以下のような場合は接種を受けることができませんので、治ってから受けるようにしてください。
- 発熱している。
- 重篤な急性疾患にかかっている。
生ワクチンの接種を希望される場合、上記に加えて、病気や治療によって、免疫の低下している方は接種できません。
接種に注意が必要な方
以下の方は、接種にあたって注意が必要なので、あらかじめ医師に相談してください。
- 心臓血管系疾患、腎臓疾患、肝臓疾患、血液疾患等の基礎疾患を有する方
- これまでに、予防接種を受けて2日以内に発熱や全身の発疹などのアレルギー症状があった方
- けいれんを起こしたことがある方
- 免疫不全と診断されている方や、近親者に先天性免疫不全症の方がいる方
- 帯状疱疹ワクチン(生ワクチン、不活化(組換え)ワクチン)の成分に対してアレルギーを起こすおそれのある方
- 生ワクチンの接種を希望される場合、輸血やガンマグロブリンの注射を受けた方は治療後3か月以上、大量ガンマグロブリン療法を受けた方は治療後6か月以上置いて接種してください。
- 組換えワクチンの接種を希望される場合、血小板減少症や凝固障害を有する方、抗凝固療法を実施されている方は注意が必要です。
帯状疱疹ワクチンのリーフレット(定期接種対象者)
厚生労働省 令和7年度 帯状疱疹ワクチンリーフレット [PDFファイル/303KB]
お問い合わせ
国保年金課
健康づくり班(ちむぐくる館)
電話:098-889-7381
E-Mail:H8897381@town.haebaru.okinawa.jp