子どもの医療費自己負担設定で評価する保険者努力支援制度の見直しと国庫負担の増額で国保財政の改善を求める意見書 |
いま、重くのしかかる国保税(料)は、高齢者や自営業者だけでなく、非正規雇用の拡大のもと所得が低い若い世代や雇用者にとっても生活を圧迫する切実な問題となっている。
国は、低所得の方々の保険税軽減措置として全国知事会等との協議の結果、毎年約3,400億円の財政支援を行っている。しかし全国知事会との議論の過程では、国民健康保険の保険税水準を協会けんぽ並みに引き下げるために必要な公費として、1兆円の財政支援の拡充が必要という意見もあったほか、国民健康保険制度改革スタート後も全国知事会、全国市長会それぞれから、3,400億円の確実な実施とあわせ、さらなる公費の投入が必要だと要望が出されている。
そもそも、国民健康保険がスタートした翌年の1962年当時の首相の諮問機関・社会保障制度審議会では、低所得者が多く、保険税に事業主負担がない国民健康保険は相当額を国庫で負担する必要があり、健康保険とのアンバランスは極力是正すべきだと勧告して出発したもので、これは国民健康保険制度本来の理念である。
国民健康保険には他の保険にない均等割があり、特に、子どもに係る均等割は子育て支援への逆行にほかならず、全国知事会からも要望が提出され、2022年から未就学の子どもの均等割の減免の実施が予定されているが、さらなる支援が必要である。
また、厚労省は令和7年度分保険者努力支援制度で子どもの医療費自己負担設定を配点評価する方針であるが、これは子育て支援策にも逆行するもので見直しを求めたい。
公的医療保険は、国民に平等に医療を保障するための仕組みであり、加入する保険によって、負担や給付に大きな格差があることは、そもそも制度の趣旨に反する。同じ収入・世帯構成の家族が、加入する保険が違うだけで、保険税の負担が大きく異なる格差を解消することは、社会の公平・公正という点からも欠かせないものである。
よって、政府に対し、国保保険者努力支援制度で子どもの医療費自己負担設定を配点する評価の見直しと国民健康保険財政への国庫負担増額を強く求める。
以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出する。 |
令和6年(2024年)10月2日 |
沖縄県島尻郡南風原町議会議長 赤嶺 奈津江 |
【提出先】
衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、財務大臣、総務大臣、厚生労働大臣、内閣府特命担当大臣
子どもの医療費自己負担設定で評価する保険者努力支援制度の見直しと国庫負担の増額で国保財政の改善を求める意見書.pdf(77.4KBytes)