南風原町人口ビジョン(改訂版)及び 南風原町デジタル田園都市国家構想の実現に向けた第2期まち・ひと・しごと創生総合戦略 令和5年2月 南風原町 南風原町人口ビジョン(改訂版)及び南風原町デジタル田園都市国家構想の実現に向けた第2期まち・ひと・しごと創生総合戦略 目次 第1編 計画策定の趣旨と位置づけ 1 1 計画策定の趣旨 1 2 対象期間 2 3 位置づけ 3 第2編 人口ビジョン(改訂版)5 第1章 人口の現状分析 5 1 総人口の推移 5 2 人口構成の推移 6 3 人口動態 7 4 就業者の状況 11 第2章 町民の意向 16 1 アンケート調査の実施要領 16 2 アンケート調査の結果 17 第3章 将来人口の推計 22 1 社人研の推計 22 2 町独自の推計(現状の状態で推移した場合)23 第4章 人口の将来展望 25 1 目指すべき将来の方向 25 2 人口の将来展望 26 第3編 南風原町デジタル田園都市国家構想の実現に向けた第2期まち・ひと・しごと創生総合戦略 29 第1章 計画策定にあたっての基本的な考え方 29 1 国・県の総合戦略との関係 29 2 町総合計画との関係 32 3 町民の意向 33 4 第1期町総合戦略の検証 37 5 第2期町総合戦略へ向けた課題 38 第2章 地域ビジョンと数値目標 40 1 第2期計画の地域ビジョン(目指すべき理想像) 40 2 基本目標と数値目標 41 3 施策の体系 45 第3章 施策の展開 46 目標1 地域に根差した産業を育成し安定した雇用を創出する 46 目標2 若い世代の子育て環境をととのえる 51 目標3 安全・安心な暮らしを実現し住み続けたいと思える地域を形成する 54 横断的目標 自治体DXを推進し、新しい時代の流れを力にする 58 第4章 計画の推進及び検証体制 60 1 計画の推進体制 60 2 評価・検証の方法 60 3 関係自治体との連携 60 資料編 61 1 計画策定の経緯 62 2 南風原町まち・ひと・しごと創生総合戦略審議会 63 3 年齢5歳階級別人口の見通し 66 第1編 計画策定の趣旨と位置づけ 1 計画策定の趣旨 (1)南風原町人口ビジョンの改訂 国は、平成26年(2014)11月28日に「まち・ひと・しごと創生法」を制定しました。 これは、出生率の低下によって引き起こされる人口の減少に歯止めをかけるとともに、東京圏への人口の過度の集中を是正し、それぞれの地域で住みよい環境を確保して、将来にわたって活力ある日本社会を維持することを目的としています。 また、国においては、平成26年(2014)12月に、「まち・ひと・しごと創生長期ビジョン」(以下「国の長期ビジョン」という。)を策定し、令和42年(2060)に1億人程度の人口を維持する中長期的な展望を示しました。その後、国立社会保障・人口問題研究所(以下「社人研」という。)の人口推計の変更を受け、令和元年(2019)12月に長期ビジョンの改訂版が策定されました。 このような背景のもと、南風原町(以下「本町」という。)は、平成28年(2016)3月、国の長期ビジョンを踏まえるとともに、本町の人口の推移や将来動向等の分析のもと、本町が目指すべき将来展望を示した「南風原町人口ビジョン」(以下「町人口ビジョン」という。)を策定しました。 令和2年(2020)に実施された国勢調査の結果や本町を取り巻く社会情勢の変化、さらに本町の第五次総合計画の後期基本計画策定に併せて行ったアンケート等の様々な調査結果を加え、より実態を踏まえた人口ビジョンとするため、町人口ビジョンを改訂します。 (2)南風原町デジタル田園都市国家構想の実現に向けた第2期まち・ひと・しごと創生総合戦略の策定 国は、平成26年(2014)12月にまち・ひと・しごと創生法に基づく、5か年の目標や施策の基本的方向等をまとめた、第1期(2015年度から2019年度まで)の「まち・ひと・しごと創生総合戦略」(以下「国の総合戦略」という。)を策定しました。 国の第1期総合戦略では、「地方に仕事をつくり、安心して働けるようにする」、「地方への新しい人の流れをつくる」、「若い世代の結婚・出産・子育ての希望をかなえる」及び「時代に合った地域をつくり、安心なくらしを守るとともに、地域と地域を連携する」の4つを基本目標とし、取組を進めてきました。 国は、令和2年(2020)12月、第1期総合戦略の5年間の施策の検証を行い、優先順位を見極めながら、継続的な施政のもと、2020年度を初年度とする今後5か年の第2期総合戦略を策定しました。 また、令和4年(2022)12月、国は第2期総合戦略を抜本的に改訂した「デジタル田園都市国家構想総合戦略」を策定しました。「全国どこでも誰もが便利で快適に暮らせる社会」を目指す「デジタル田園都市国家構想」の実現に向け、デジタルの力を活用しつつ、地域の個性を生かしながら地方の社会課題解決や魅力向上の取組を加速化・深化することを目指しています。 沖縄県は、国の第2期総合戦略を踏まえ、「沖縄21世紀ビジョンゆがふしまづくり計画」(以下「県の総合戦略」という。)を令和2年(2020)3月に策定、令和4年(2022)3月に改訂版を策定しました。県の総合戦略では、「安心して結婚・出産・子育てができる社会」、「世界に開かれた活力ある社会」、「個性を活かした持続可能な社会」を本県が目指すべき方向性として示し、その実現に向けた具体的な施策体系を示しています。 本町は、平成28年(2016)3月に平成27年度(2015)から平成31年度(2019)まで5か年計画としての「南風原町まち・ひと・しごと創生総合戦略」(以下「第1期町総合戦略」という。)を策定しました。これは、まち・ひと・しごと創生法第10条第1項「市町村は、まち・ひと・しごと創生総合戦略を勘案して、当該市町村の区域の実情に応じたまち・ひと・しごと創生に関する施策についての基本的な計画を定めるように努めなければならない。」の定めに基づくものです。 第1期町総合戦略では、3つの基本目標と、目標に関する基本施策及び方向性を定めています。 計画の実施については、各年度において施策及び事業の評価・検証を行い、計画実施の進捗や効果を管理するとともに、評価結果によるPDCAや本町を取り巻く社会情勢等の変化に対応するため、平成30年(2018)4月と同年12月に計画の改訂を行っています。 国の長期ビジョンの改訂及び本町の人口ビジョンの改訂、国の第2期総合戦略の策定、デジタル田園都市国家構想総合戦略の策定、さらに本町の第1期総合戦略の計画期間の終了、令和4年度(2022)から第五次南風原町総合計画後期基本計画が始まるなど、本町の総合戦略を取り巻く情勢が大きく変化しています。このため、これらの関連計画との整合を図るとともに、第1期町総合戦略の継続的な取組を推進する観点から、「南風原町デジタル田園都市国家構想の実現に向けた第2期まち・ひと・しごと創生総合戦略」(以下「第2期町総合戦略」という。)を策定します。 2 対象期間 (1)南風原町人口ビジョン(改訂版) 町の人口ビジョン(改訂版)の対象期間は、国の長期ビジョンの期間や当初計画との整合を図り、令和4年(2022)から令和42年(2060)までとします。 なお、人口動態や社会情勢の変化等に対応するため、必要に応じて見直します。 (2)南風原町デジタル田園都市国家構想の実現に向けた第2期まち・ひと・しごと創生総合戦略 第2期町総合戦略の対象期間は、第五次南風原町総合計画後期基本計画及び国のデジタル田園都市国家構想総合戦略との整合を図り、令和4年度(2022)から令和9年度(2027)までの6か年とします。 3 位置づけ (1)南風原町人口ビジョン(改訂版) 町人口ビジョンは、国の長期ビジョンの考え方を踏まえつつ、本町の人口動態の把握と分析を行い、今後目指すべき将来方向と人口の将来展望を示すものです。 本町が人口対策として、まちづくりに関わるすべての主体と連携して取り組む施策や目標を定める本町の総合戦略の策定の基本指標及び基礎資料として位置づけます。 また、本町が取り組む様々な計画策定や施策推進に関わる基本指標及び基礎資料としても位置づけます。 (2)南風原町デジタル田園都市国家構想の実現に向けた第2期まち・ひと・しごと創生総合戦略 第2期町総合戦略は、「まち・ひと・しごと創生法」に基づき国が策定した「デジタル田園都市国家構想総合戦略」の市町村版として策定するものです。 また、第1期町総合戦略の強化と継続性を図り、人口と構成のバランスに配慮しながら、持続可能なまちづくりに向けた具体的な戦略を示します。 さらに、本町が取り組むすべてのまちづくり分野における、人口対策や地域活性化に係る横断的な施策として取りまとめ、最上位計画である「第五次南風原町総合計画後期基本計画」と連携して、施策を推進していきます。 第2編 人口ビジョン(改訂版) 第1章 人口の現状分析 1 総人口の推移 本町の総人口の推移について、昭和55年(1980)から令和2年(2020)までの国勢調査結果によると、20,679人から40,440人となり、40年間で約2万人の増加でほぼ倍増し、年率約2.4%の伸びとなっています。このような高い伸びは、昭和45年(1970)を起点とし、50年間の長期にわたり継続しています。 これは、本町が県都那覇市やその周辺の都市と隣接する立地環境とともに、良好な住宅環境や通勤・通学をはじめとする交通の利便性、買物及び通院等の生活の利便性など、住み良い環境にあることから、近隣市町村からの転入増加によるものと考えられます。 総人口の推移 2 人口構成の推移 本町の人口構成を年少人口(0歳~14歳)、生産年齢人口(15歳~64歳)、老年人口(65歳以上)の3区分でみると、いずれの年代層でも増加傾向となっています。中でも老年人口の増加傾向が顕著です。 また、男女別、5歳階級別の人口構成を平成7年(1995)と令和2年(2020)と比較すると、おおむねすべての年齢層で増加していますが、15歳から29歳の若年層で男女ともに減少がみられます。これは、進学や就職などによる転出増によるものと考えられます。 3区分人口の推移 男女別、5歳階級別人口の比較 3 人口動態 (1)自然動態の推移 自然動態とは、一定期間における出生・死亡に伴う人口の動きをいいます。自然増加とは、出生数から死亡数を差し引いた値のことを言い、これが上回る(出生数の方が多い)場合を自然増加、反対に下回る(死亡者数の方が多い)場合を自然減少といいます。 人口動態調査から本町の自然増減の推移をみると、平成23年(2011)から令和2年(2020)まで出生数が死亡数を上回る自然増加となっています。 また、本町の合計特殊出生率(15歳~49歳までの女性の年齢別出生率を合計したもの)は、平成25年(2013)~平成29年(2017)で2.22であり、国の1.43や沖縄県の1.93、近隣市町村と比べても高い水準となっています。我が国では、合計特殊出生率が2.07で人口が維持される値とされ、この値を上回れば人口増加となり、下回れば人口減少となります。本町は、この値を上回っており、人口増加の傾向を示しています。 自然増減の推移 合計特殊出生率の推移 (2)社会動態の推移 社会動態とは、一定期間における転入・転出に伴う人口の動きをいいます。社会増加とは、転入数から転出数を差し引いた値のことをいい、これが上回る(転入者数の方が多い)場合を社会増加、下回る(転出者数の方が多い)場合を社会減少といいます。 住民基本台帳人口移動報告による社会増減の推移をみると、平成27年度(2015)までは増減があり、平成28年度(2016)から令和2年度(2020)までは転入者数が転出者数を上回る社会増加となっています。 2015年から2020年における年齢別の社会増減の推移をみると、10代後半から20代前半に減少がありますが、ほぼすべての年齢で社会増加となっています。特に、20代後半から30代前半にかけての子育て世代の転入者が多いことがうかがえます。 また、自然増減及び社会増減における影響をみる資料として、社人研の「日本の地域別将来推計人口」に基づく沖縄県内市町村の自然増減と社会増減の影響度(2045年)があります。これによると、本町は自然増減の影響が無いとされる「1」ランクに位置しています。また、社会増減においても同様に、社会増減のほぼ影響が無いとされる「2」ランクに位置しています。 したがって、本町は県内他市町村と比べて自然増減と社会増減ともに影響度が少ないことがわかります。 注)1.自然増減の影響度:社人研の「シミュレーション1の2045年の総人口÷パターン1の2045年の総人口」を計算した数値を5段階に整理した影響度。 2.社会増減の影響度:社人研の「シミュレーション2の2045年の総人口÷シミュレーション1の2045年の総人口」を計算した数値を5段階に整理した影響度。 (資料:平成27年(2015)国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口」に基づきまち・ひと・しごと創生本部作成) 4 就業者の状況 (1)就業者数等の状況 本町の産業別就業者数の総数は、増加傾向にあり、平成7年(1995)に比べ、令和2年(2020)は35.4%増の17,261人となっています。 産業別の推移をみると、第1次産業は横ばい状態にあり、第2次産業は減少傾向で、第3次産業は増加傾向を示しています。また、産業別の占める割合は、令和2年(2020)の場合、第3次産業が80.2%、第2次産業が14.9%、第1次産業が2.9%、分類不能の産業が2.0%となっています。 また、本町の産業構造を町内総生産額でみると、第3次産業の医療、福祉業が圧倒的な地位を占めています。 産業別就業者数の推移 産業別町内総生産額の推移 (2)本町で働く就業者の状況 令和2年(2020)国勢調査による本町で働く産業別年代別就業者数をみると、「農業、林業」において50代以上が半数以上を占めており、高齢化がうかがえます。 「建設業」、「電気・ガス・熱供給・水道業」、「情報通信業」、「卸売業、小売業」、「金融業、保険業」、「学術研究、専門・技術サービス業」、「宿泊業、飲食サービス業」、「生活関連サービス業、娯楽業」、「教育、学習支援業」、「医療、福祉」、「複合サービス事業」、「公務(他に分類されるものを除く)」においては、労働の中心となる40代までの割合が多くなっています。 本町で働く産業別年代別就業者数 (3)常住地と従業地の関係 令和2年(2020)国勢調査による産業大分類別従業地の状況をみると、「農業、林業」及び「漁業」を除く産業で「他市区町村で従業」している割合が多くなっています。また、昼夜間人口比率と自市町村内就業率の関係をみると、南風原町の昼夜間人口比率は0.94、自市町村内就業率は0.34であり、どちらも沖縄県の値(昼夜間人口比率1.00、自市町村内就業率値0.44)を下回っています。昼夜間人口比率と自市町村内就業率をクロスしたグラフをみると、「住機能型」都市に位置していることから、近隣の那覇市等への通勤者が多いものと考えられます。 現在の近隣中核都市等のベッドタウンとしての特色を生かしつつ、多様な働ける場の確保が更なる定住化促進への課題といえます。 産業大分類別従業地の状況 昼夜間人口比率と自市町村内就業率の関係 昼夜間人口比率と自市町村内就業率 昼夜間人口比率 自市町村内就業率 南風原町 0.94 0.34 那覇市 1.09 0.53 宜野湾市 0.95 0.28 浦添市 1.02 0.34 糸満市 0.93 0.47 豊見城市 0.93 0.32 北中城村 1.02 0.26 中城村 0.88 0.26 西原町 1.14 0.36 与那原町 0.91 0.29 八重瀬町 0.86 0.37 沖縄市 0.97 0.32 うるま市 0.97 0.34 読谷村 0.87 0.35 嘉手納町 1.09 0.34 北谷町 1.05 0.30 名護市 1.04 0.59 石垣市 1.00 0.64 宮古島市 1.00 0.79 本部町 1.04 0.77 沖縄県 1.00 0.44 注)1.昼夜間人口比率:常住人口100人当たりの昼間人口の割合であり、100を超えているときは通勤・通学人口の流入超過、100を下回っているときは流出超過を示している。 2.自市町村内就業率:就業先が常住している市町村と同一の市町村にある割合 (資料:令和2年(2020)国勢調査) (4)女性の年齢階級別労働力率 令和2年(2020)における本町の女性の年齢階級別労働力率(15歳以上人口に占める労働力人口の割合)は、30歳から44歳において全国及び沖縄県に比べ高くなっています。 平成2年から令和2年の5年ごとの国勢調査結果でみると、ほぼすべての年齢層で労働力率が上昇しています。女性の年齢階級別の労働率をグラフで表すと、20歳代でピークに達し、その後、30歳代の出産・育児期に落ち込み、子育てが一段落した40歳代で再上昇するМ字に似た曲線から「М字カーブ」と呼ばれています。 本町においても平成12年までは、このМ字カーブが顕著に表れていましたが、平成27年からは、ほぼフラットになりМ字カーブがみられなくなっています。これは、産休や育休の普及とともに、保育所等の保育環境の整備などにより、有配偶者の労働力率が上昇してきたことがあげられます。 女性の年齢階級別労働力率 第2章 町民の意向 町人口ビジョン(改訂版)及び第2期町総合戦略に町民意向を反映するため、アンケート調査を行いました。 1 アンケート調査の実施要領 (1)調査の目的 町では、まちづくりの指針である「第五次南風原町総合計画前期基本計画」が令和3年度をもって終了することから、前期基本計画をベースとし、社会情勢の変化などを踏まえて見直す「第五次南風原町総合計画後期基本計画」の策定に向けて、町民のまちづくりに関する考えや、意見等を把握することを目的にアンケート調査を実施しました。 (2)調査対象と回収状況 ①一般アンケート調査 町内在住の18歳以上の方2,800人 回収数845票(回収率30.2%)  ②中学生アンケート調査 南風原町立中学校(南風原、南星)の1・2・3年生1,400人 回収数1,351票(回収率96.5%) ③小学生アンケート調査 南風原町立小学校(南風原、北丘、津嘉山、翔南)の5・6年生992人 回収数945票(回収率95.3%) (3)調査の期間 ○令和3年5月26日~令和3年7月27日 2 アンケート調査の結果 (1)回答者について ①一般:性別 ●回答者の性別は、「女性」が57.6%、「男性」が41.1%となっています。 ②一般:年齢 ●回答者の年齢別は、「40歳代」が21.7%で最も多く、次いで「30歳代」の20.2%、「60歳代以上」の17.3%などとなっています。 (2)町への愛着度 ①一般:町民の町への愛着度 ●町民の町に対する愛着度は、今回調査において、「まあまあ愛着がある」の意見が49.8%で最も多く、次いで「とても愛着がある」の31.7%、「何とも言えない」の12.9%などとなっており、『愛着がある(とても愛着がある+まあまあ愛着があるの合計)』と回答した方が81.5%となっています。 ②中学生の町への愛着度 ●中学生の町に対する愛着度は、「ふつう」の意見が32.8%で最も多く、次いで「どちらかといえば好き」の32.1%、「とても好き」が30.4%などとなっており、『愛着がある(とても好き+どちらかといえば好き)』と回答した方が62.5%となっています。 ③小学生の町への愛着度 ●小学生の町に対する愛着度は、「とても好き」が49.5%で最も多く、次いで「どちらかといえば好き」の22.6%、「ふつう」の22.5%などとなっており、『愛着がある(とても好き+どちらかといえば好き)』と回答した方が72.1%となっています。 (3)今後の定住意向 ①一般:町民の定住意向 ●町民の定住意向は、「今後も住み続けたい」が77.0%で最も多く、次いで「特に考えていない」の18.1%となっています。 ②中学生の定住意向 ●中学生の定住意向は、「わからない」の意見が57.7%で最も多く、次いで「住みたい」が23.2%などとなっています。 ③小学生の定住意向 ●小学生の定住意向は、「わからない」の意見が50.6%で最も多く、次いで「住みたい」が29.8%となっています。 (4)今後のまちづくりの希望 ①一般:町民の将来まちづくり分野の意向 ●今後の本町のまちづくりについて、どのようになって欲しいかでは、「医療・介護の体制が整い、高齢者や障がい者の方もみんなが安心して暮らせるまち」の意見が70.8%で最も多く、次いで「災害や犯罪が少なく、対策が整っている安全・安心なまち」の60.7%、「緑豊かな自然環境や美しい景観が多く残っているまち」の30.4%などとなっています。 ②中学生の将来まちづくり分野の意向 ●中学生は、「災害や犯罪が少なく、対策ができている安全で安心なまち」の意見が55.2%で最も多く、次いで「お年寄りや体の不自由な方もみんなが安心してくらせるまち」が51.5%、「買物をするお店がたくさんあって、便利なまち」が40.0%などとなっています。 ③小学生の将来まちづくり分野の意向 ●小学生は、「災害や犯罪が少なく、対策できている安全で安心なまち」の意見が67.0%で最も多く、次いで「お年寄りや体の不自由な方もみんな安心してくらせるまち」が57.6%、「木がたくさんある自然豊かなまち」が27.4%などとなっています。 第3章 将来人口の推計 1 社人研の推計 社人研による本町の将来人口の推計は、平成27年(2015)の実績値をベースに推計されています。これによると、令和22年(2040)までは年々増加し42,663人になります。この令和22年(2040)をピークとし、それ以降は減少に転じる推計となっています。 また、人口構造は、年少人口と生産年齢人口は横ばい状態を示し、老年人口は年々増加する傾向を示しています。高齢者数(高齢化率)をみると、令和7年(2025)には8,795人(21.7%)となり、高齢化率が21%を超える超高齢社会となります。さらに、令和27年(2045)には11,179人(26.2%)となる見通しです。 ■総人口及び年齢3区分別の推移 2 町独自の推計(現状の状態で推移した場合) 令和2年(2020)の国勢調査結果をベースに推計した本町独自の将来人口の推計結果をみると、令和27年(2045)まで人口が増加し46,732人になると推測されます。しかし、令和27年(2045)をピークに、それ以降は減少に転じる推計となっています。 また、人口構造は、社人研の推計結果と同様に年少人口と生産年齢人口は横ばい状態を示し、老年人口は年々増加する傾向を示しています。このことを踏まえ、令和27年(2045)以降の人口減少と超高齢社会の到来に備えた対策が必要です。 町独自の推計結果(現状の状態で推移した場合) 総人口及び年齢3区分別の推移 第4章 人口の将来展望 1 目指すべき将来の方向 人口の現状・課題等を踏まえ、今後目指すべき方向を次のように設定します。 2 人口の将来展望 (1)総人口 本町は、市街地と自然のバランス、交通や買物、通院等日常生活の利便性などの住み良い環境から、昭和25年(1950)から現在まで常に人口が増加し、令和4年(2022)1月末時点の住民基本台帳は40,549人となっています。また、全国的に高い出生率を維持していることもあり、本町の人口は今後も増加傾向が続くものと予測されます。 社人研の将来人口推計では、令和7年(2025)の人口は40,587人と推計されています。 「南風原町人口ビジョン及び南風原町まち・ひと・しごと創生総合戦略<改訂版>」(平成30年12月改訂)では、令和7年(2025)の将来人口は39,389人に設定されていました。 令和2年(2020)国勢調査の人口集計では、本町の人口は40,440人と公表されており、社人研や町の人口ビジョンにおける推計値を上回る人口増加となっています。 そこで、本町の独自推計(将来展望)として令和2年(2020)国勢調査の人口集計を基にコーホート要因法※1による推計を行った結果、令和7年(2025)の人口は43,395人、令和42年(2060)の人口は46,984人になると推計されます。 以上を踏まえ、町の人口ビジョンの長期展望である令和42年(2060)の将来人口を47,000人と設定します。なお、第2期町総合戦略の計画期間である令和9年(2027)における将来人口を44,000人と設定します。 人口の将来展望 (2)人口動態の想定 令和4年(2022)から令和12年(2030)までに想定される人口動態は、自然動態、社会動態ともに増加傾向が続くものと予測されます。 第2期町総合戦略の計画期間である令和9年(2027)における人口動態は、自然増減が227人、社会増減が171人の計398人の人口増加となる見通しです。 令和12年(2030)までの人口動態の見込み (3)世帯 町人口ビジョンの長期展望である令和42年(2060)の将来世帯は26,968世帯、1世帯当たりの人員は1.74人/世帯になる見通しです。 令和7年(2025)における世帯数は約16,597世帯、1世帯当たりの人員は2.61人/世帯と推計され、第2期町総合戦略の計画期間である令和9年(2027)における世帯数は約17,300世帯、1世帯当たりの人員は約2.5人/世帯になると見込まれます。 世帯数及び1世帯当たり人員の推計結果 第3編 南風原町デジタル田園都市国家構想の実現に向けた第2期まち・ひと・しごと創生総合戦略 第1章 計画策定にあたっての基本的な考え方 1 国・県の総合戦略との関係 総合戦略は、本町の長期的な将来像を展望し、その実現のため分野別方針を総合的かつ計画的に進める指針となるものです。その策定にあたっては以下の点に配慮する必要があります。 (1)国の総合戦略における施策の方向性 国は、令和2年(2020)12月21日に「第2期まち・ひと・しごと創生総合戦略」(2020改訂版)を定め、目指すべき方向性として「将来にわたって活力ある地域社会の実現」と「東京圏への一極集中の是正」を掲げた政策を展開してきました。 また、令和4年(2022)12月、国の第2期総合戦略を抜本的に改訂した「デジタル田園都市国家構想総合戦略」を策定しました。「全国どこでも誰もが便利で快適に暮らせる社会」を目指す「デジタル田園都市国家構想」の実現に向け、デジタルの力を活用しつつ、地域の個性を生かしながら地方の社会課題解決や魅力向上の取組を加速化・深化することを目指しています。 ■デジタル田園都市国家構想総合戦略の政策体系 (2)県の総合戦略における施策の方向性 沖縄県は、国の第2期総合戦略を踏まえ、令和4年(2022)3月に県の総合戦略を定めました。 県の総合戦略では、「基本施策1 自然増を拡大するための取組(安心して結婚・出産・子育てができる社会)」、「基本施策2 社会増を拡大するための取組(世界に開かれた活力ある社会)」、「基本施策3 離島・過疎地域の振興に関する取組(個性を活かした持続可能な社会)」、「横断的な施策 持続可能な地方創生を推進する取組」を展開しています。 ■沖縄県まち・ひと・しごと創生総合戦略 施策体系図 出典:「沖縄21世紀ビジョンゆがふしまづくり計画(沖縄県まち・ひと・しごと創生総合戦略)」(令和4年3月改訂、沖縄県) (3)持続可能な開発目標(SDGs)への対応 平成27年(2015)9月に国連サミットで採択された「持続可能な開発目標(SDGs)※2」は、実現するための17の目標と169のターゲットから構成され、令和12年(2030)を期限とする国際目標です。地方自治体には、SDGsの浸透と取組の加速化、体制づくりと各種計画への反映などが期待されています。 2 町総合計画との関係 本総合戦略は、「第五次南風原町総合計画基本構想・基本計画」の考え方と整合性を図るものであり、町人口ビジョンによる将来人口や総合戦略に掲げる施策等は、総合計画にも反映されるものです。 3 町民の意向 令和3年度に町民の意向を把握するためにアンケート調査を行いました。このアンケート調査結果を基に総合戦略策定に係る町民の意向を整理します。 (1)町への愛着度 ○一般町民の場合、「愛着がある」が82%、「愛着はない」が5%となっており、愛着度の高さがうかがえます。 ○中学生では、「愛着がある」が63%、「ふつう」が33%、「あまり好きではない・嫌い」が3%となっており、愛着度が高いものの、「ふつう」の割合も他の世代に比べ多くなっています。 ○小学生では、「愛着がある」が72%、「ふつう」が23%、「あまり好きではない・嫌い」が3%となっており、中学生より愛着度は10ポイント程度高くなっています。 ⇒以上のことから、今後一層の愛着を維持できる取組を進めるとともに、「ふつう」の割合が高い中学生及び小学生については、愛着を持てるよう、町民ニーズへの対応や情報提供、啓発などが必要です。 (2)定住意向 ○一般町民では、「今後も住み続けたい」が77%、「住み続けたいとは思わない」が3%、「特に考えていない」が18%で、定住意向の高さがうかがえます。 ○中学生では、「住みたい」が23%、「住みたいとは思わない」が16%、「わからない」が58%となっており、今後の進路状況により定住するか、または転出するかが明確でないため、「わからない」割合が高いものと推察されます。 ○小学生では、中学生に比べ「住みたい」割合がやや多いものの、「わからない」が51%で最も多く、将来の進路により決めかねているものと思われます。 ⇒以上のことから、一般町民は生活基盤が築かれ定住意向が確立しているが、一方、小中学生はこれからの進路により定住意向は定まらない状況にあるといえます。定住者には質の高い環境を提供し、子どもたちには転出しなくても良い教育環境や就業機会の充実を図ることが望まれます。 (3)まちづくりに関する評価と重要度 ア.きらきらと輝く人が育つまち ○満足度は低いが重要度の高い施策は、「子どもたちの心身の健康づくり対策」と「学力向上及び学習環境の整備」があげられます。 ○満足度も高く重要度も高い施策は、「特色ある学校づくり」があげられています。 ⇒以上のことから、子どもたちの健康づくりと学習環境の充実が求められています。 イ.福祉と健康のまち ○満足度は低いが重要度の高い施策は、「子どもの貧困、社会的孤立の防止に向けた支援体制」、「虐待、DVの相談窓口や通知義務の周知について」、「各種保育サービスの充実」があげられます。 ○満足度も高く重要度も高い施策は、「子どもたちの安全・安心な居場所づくり」、「障がい者に向けた行政サービスの充実」、「高齢者に向けた行政サービスの充実」、「子育て家庭に対する支援」、「町民の健康づくりの推進」などがあげられます。 ⇒以上のことから、子育て環境の充実や障がい者や高齢者福祉の充実、町民の健康づくりの推進など、子育てと福祉への一層の取組が求められています。 ウ.みどりとまちの調和、安全・安心なまち ○満足度は低いが重要度の高い施策は、「事故や犯罪に配慮したまちづくり」、「災害に強いまちづくりの推進」、「生活排水の処理整備」、「公園や緑地の保全・充実」、「ユニバーサルデザインの推進」があげられます。 ○満足度も高く重要度も高い施策は、「各種道路の整備と利便性」があげられます。 ⇒以上のことから、防犯や災害対策の充実、生活環境や交通の利便性を高める都市及び住環境の創出が求められています。 エ.環境と共生する美しく住みよいまち ○満足度は低いが重要度の高い施策は、「環境美化活動の実施」、「公害や害虫等への対策」があげられます。 ○満足度も高く重要度も高い施策は、「ごみの減量化」、「環境保全の普及啓発活動」、「循環型社会の構築」があげられます。 ⇒以上のことから、良好な生活環境の創出や環境にやさしいまちづくりの推進が求められています。 オ.自由意見 ○自由意見を分類整理すると、「快適で文化的に暮らせるまちづくり」が127件と圧倒的に多く、次いで「利便性の魅力あるまちづくり」の66件、「安全・安心に暮らせるまちづくり」の46件などとなっています。 ⇒以上のことから、質が高く便利な住環境を中心とした魅力あるまちづくりが望まれています。 4 第1期町総合戦略の検証 第1期町総合戦略において掲げられた重要業績評価指標(KPI)について、進捗状況を検証した結果を以下に示します。 重要業績評価指標(KPI) 現状値 H28年度 実績 H29年度 実績 H30年度 実績 R1年度 実績 R2年度 実績 目標値 (R3年度) 進捗率評価 ・待機児童数 127人 (H27.4.1) 150人 (H29.4.1) 194人 (H30.4.1) 208人 (H31.4.1) 194人 (R2.4.1) 40人 (R3.4.1) 0人 一部進行 ・子育て支援の取組について満足している町民の割合 70.7% (H27年度) - - - - 81% 80.0% 一部進行 ・将来の夢・目標を持っている小学生・中学生の割合 小学校86.2% 中学校75.0% (H27年度) 小学校91.0% 中学校81.0% 小学校92.5% 中学校76.6% 小学校84.2% 中学校87.3% 小学校89.5% 中学校87.9% - 小学校88.0% 中学校77.0% 順調に進行 ・新規就農者数 3人 (H26年度) 延べ2人 延べ4人 延べ5人 延べ5人 延べ7人 延べ15人 一部進行 ・伝統工芸新規担い手数 8人 (H26年度) 延べ16人 延べ29人 延べ41人 延べ50人 延べ60人 延べ71人 順調に進行 ・南風原文化センター来館者数 (壕見学者含む) 26,554人 21,927人 (H26年度) 27,749人 30,595人 37,783人 29,353人 3,856人 40,000人 一部進行 ・かすり会館来館者数 ・かすり会館来館団体数 10,580人 32団体 (H26年度) 8,583人 7,440人 51団体 8,571人 35団体 5,400人 45団体 3,900人 8団体 12,000人 50団体 一部進行 ・学校給食における地域農産物の提供食数 (日数) 62日/ 200日 (H26年度) 33日/ 200日 64日/ 200日 75日/ 200日 63日/ 200日 41日/ 200日 70日/ 200日 一部進行 ・事業所数 (指標追加) 1,384 事業所 (H26年度) 1,441 事業所 - - - - 1,530事業所 順調に進行 ・職業紹介所における雇用マッチング数 (斡旋数) - 延べ4人 延べ20人 延べ39人 延べ56人 延べ60人 延べ75人 順調に進行 ・自主防災組織数 - 0 延べ1団体 延べ4団体 延べ4団体 延べ4団体 延べ5団体 順調に進行 ・自治会加入促進や地域活動への支援に関する満足度 52.4% (H27年度) - - - - - 60.0% 一部進行 ・人材バンク新規登録者数 185人 (H26年度) 延べ352人 延べ727人 延べ1,021人 延べ1,236人 延べ1,339人 延べ1,500人 順調に進行 ・手上げ方式による事業実施団体数 - 延べ1件 延べ1件 延べ1件 延べ3件 延べ2件 延べ6件 一部進行 ・特定健診受診率 46.9% (H26年度) 43.9% 40.3% 37.3% 34.4% 32.8% 60.0% 一部進行 ・メタボリックシンドローム該当者・予備群の割合 34.9% (H26年値) 34.6% 35.9% 35.2% 35.5% 40.4% 30.0%未満 一部進行 5 第2期町総合戦略へ向けた課題 本町の将来人口は、長期的には人口減少に転じることが推計されています。町の活力を未来につなげていくためには、持続可能な人口規模とバランスの取れた人口構成を維持することが基本となります。そのためには、長期的な視野に立った「まち」「ひと」「しごと」を一体とした総合的な取組が必要です。 第2期町総合戦略及び長期的な視点で、これからの取組課題を整理すると、次のような視点と事項があげられます。 (1)出産・子育ての希望をかなえ、次代を担う人材を育てる視点 ①妊娠・出産・子育てへの切れ目ない支援 ○子どもや子育て家庭への支援 ○子育てを地域や町全体で支える社会づくり ②仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス) ○多様な働き方のできる雇用の場の実現 ○男女共同参画の推進 ○女性が活躍する機会の創出と推進 ③次代を担う人材育成 ○たくましく生きる力を育む教育の推進 ○地域への誇りと愛着の醸成 ○産官学金等の連携によるキャリア教育の推進 (2)産業の振興と雇用の機会を確保する視点 ①新たなビジネスや成長産業の創出 ○起業しやすい環境整備 ○戦略的な企業誘致の推進 ○イノベーション創出の推進 ②地域企業の経営強化と雇用の促進 ○生産性向上に向けた支援 ○雇用環境の改善 ○従業員の採用支援 ○町内企業への就労の促進 ③農業・観光等地域産業の振興 ○ブランド付加価値農産品の保全と育成 ○農業後継者の確保 ○観光振興と担い手の育成 ○伝統産業の後継者の育成 (3)安心して暮らせる魅力あるまちづくりの視点 ①支え合いのある地域社会づくりの強化 ○コミュニティの育成 ○健康寿命の延伸 ○地域福祉の推進 ○住み慣れた地域で暮らし続ける支援体制づくり ②魅力ある都市の創造 ○賑わいのある魅力的な都市の創出 ○自然と都市の調和の取れた土地利用の推進 ○利便性の高い交通ネットワークの形成 ○快適な住環境の創出 ○魅力ある景観形成 ○歴史・文化・伝統の継承 ③安全・安心なまちづくり ○防犯体制の強化 ○災害に強いまちづくりの推進 ○交通安全の推進 ④持続可能な環境共生のまちづくり ○再生エネルギー利用の推進 ○廃棄物の利用と適正処理 ○生態系に配慮したまちづくりの推進 第2章 地域ビジョンと数値目標 1 第2期計画の地域ビジョン(目指すべき理想像) (1)第2期町総合戦略の目指すべき方向 町の第1期総合戦略では、「①若い世代の子育て環境をととのえる、②地域に根差した産業を育成し安定した雇用を創出する、③安全・安心な暮らしを実現し住み続けたいと思える地域を形成する」の3つの基本目標を掲げ、具体的な施策を推進してきました。 前述の第2期町総合戦略へ向けた課題を踏まえ、第2期町総合戦略においても、この3つの基本目標を継承するとともに、国が掲げる「デジタル田園都市国家構想総合戦略」を勘案し、横断的な取組として「自治体DX※3を推進し、新しい時代の流れを力にする」を追加し、国や県の総合戦略と連動しながら推進します。 (2)地域ビジョン(目指すべき理想像) 本町の人口を維持し、町の活力をさらに向上させていくためには、若い世代が住みたい・住み続けたいと思える地域づくりが必要不可欠です。産業の振興や多様な働き場の確保、教育・子育て環境の充実、質の高い住環境の創出等を町民一体となって推進することで、若い世代に選ばれる地域を目指します。 第五次南風原町総合計画では、将来像に「ともにつくる黄金(こがね)南風(はえ)の平和郷(さと)」を掲げ、町民が地域社会への愛着と誇りを持って夢・目標を実現していく姿を目指しています。第2期町総合戦略においても、総合計画の将来像を踏襲するとともに、まち・ひと・しごとの観点から施策を推進することで、「ともにつくる黄金(こがね)南風(はえ)の平和郷(さと)」の実現を目指します。 2 基本目標と数値目標 本町の基本目標及びそれぞれの数値目標を以下のとおり設定します。 基本目標1 地域に根差した産業を育成し安定した雇用を創出する 農業や伝統工芸など地域の地場産業の支援育成による基盤強化を図るとともに、各産業の連携による地域ブランドの創出、これらを含めた歴史・文化・祭り、集落などの地域資源のブラッシュアップと 有効活用による観光産業の振興など産業全体への波及効果をもたらす取組を推進します。 高規格道路による交通アクセス条件の良さなど、本町の立地特性を生かした新規産業用地の整備を促進します。 「南風原町中小企業・小規模企業振興基本条例」に基づき、雇用環境の向上や学校におけるキャリア教育の実施など就労支援の充実を図ります。 【目標値】 6年後の従業者数について6%の増加を目指す (平成28年:従業者数14,829人(経済センサス活動調査)) 【重要業績評価指標(KPI)】 現状値 目標値(R9) ・新規就農者数 延べ7人 (R2年度) 延べ15人 ・データを活用した農業を実践している担い手の割合 ― 30% ・学校給食における地域農産物の提供食数(日数) 41日/200日 (R2年度) 75日/200日 ・事業所数 1,441事業所(H28年度) 1,759事業所 ・創業相談件数 12件 (R2年度) 20件 ・伝統工芸新規担い手数 延べ60人 (R2年度) 延べ100人 ・かすり会館来館者数 3,900人 (R2年度) 12,100人 ・南風原文化センター来館者数(壕見学者含む) 3,856人 (R2年度) 28,000人 ・職業紹介所における雇用マッチング数(斡旋数) 延べ60人 (R2年度) 延べ75人 基本目標2 若い世代の子育て環境をととのえる 若い世代の出産の希望が叶えられるよう、本町における子育て支援の更なる充実を図り、子育てをしたい場所として選ばれる地域づくりを進める必要があります。 子どもが安心して育つ環境の充実に向け、保育基盤の拡充、貧困、不登校、非行などにより、子どもが社会的に孤立することを防ぐとともに、行政と地域、NPO、民間企業等との連携による成長に応じた切れ目のない支援体制の構築を図ります。 また、次代を担う子どもたちの生きる力を育む教育環境の充実を図ります。 【目標値】 6年後も出生率2.22を維持 (平成25~29年の合計特殊出生率:2.22(人口動態保健所・市区町村別統計)) 【重要業績評価指標(KPI)】 現状値 目標値(R9) ・待機児童数 40人 (R3.4.1) 0人 ・デジタル技術も活用し相談援助等を行うこども家庭センターの設置 ― 設置 ・子育て支援の取組について満足している町民の割合 81% (R3年度) 85% ・将来の夢・目標を持っている小学生・中学生の割合 (全国学力・学習状況調査小学6年生と中学3年生が対象) 小学校89.5% 中学校87.9% (R元年度) 小学生90.0% 中学生88.0% ・1人1台端末を授業や自主学習などでほぼ毎日活用している学校の割合 ― 100% ・地域と連携・協働する体制を構築している公立学校の割合 ― 100% 基本目標3 安全・安心な暮らしを実現し住み続けたいと思える地域を形成する 地震や台風、豪雨など自然災害への対応や、複雑化・多様化する犯罪への対処など地域の防災・防犯対策の促進を図るとともに、誰もが安心して都市生活を送ることができるバリアフリーのまちづくりなど、安全・安心な暮らしを実現するため施設整備等の充実をはじめ、地域コミュニティの強化による地域の支え合いを推進します。 また、町民が生き生きと健康で生活するため、すべての人が健康づくりに関心を持って、生活習慣病や介護の予防に取り組めるよう、情報提供、健診等の実施、運動機会の提供、コミュニティへの参画等を支援します。 さらに、景観行政の取組を推進し文化が薫り潤いのある都市環境の形成や廃棄物のリサイクルなど地球環境に配慮した循環型社会の構築、下水道整備を促進するとともに、公共交通など都市の利便性の向上を図り、誇りと愛着を持ち自らがまちづくりの主役として活躍できる、住みやすい地域づくりを推進します。 【目標値】 本町に住み続けたいと答えた人の割合80% (令和3年:77.0%(20歳以上アンケート調査)) 【重要業績評価指標(KPI)】 現状値 目標値(R9) ・自主防災組織数 延べ4団体 (R2年度) 延べ10団体 ・目標人口 40,440人 (R2年) 44,000人 ・定住人口(社会増減) 142人 (R2年) 171人 ・下水道計画面積整備率(整備区域/全体計画区域) 62% (R2年度) 67% ・自治会加入促進や地域活動への支援に関する満足度 25.7% (R3年度) 60.0% ・手上げ方式による事業実施団体数 延べ2件 (R2年度) 延べ10件 ・メタボリックシンドローム該当者・予備群の割合 40.4% (R2年度) 28.0%未満 ・特定健診受診率 32.8% (R2年度) 60.0% 横断的目標 自治体DXを推進し、新しい時代の流れを力にする 施策を推進するにあたっては、基本的な考え方や目標を念頭におき、各施策間が有効に連携し、総合的な効果が期待される共通の施策を横断的施策として位置づけ、これを推進することとします。 第2期町総合戦略では、国が掲げる「デジタル実装の基礎条件整備」に着目し、自治体DX等について横断的に取り組むことによって、施策全体の最適化や地域課題の解決を図り、地方創生の実効を高めます。 3 施策の体系 第3章 施策の展開 目標1 地域に根差した産業を育成し安定した雇用を創出する (1) 地域産業の振興 ■施策の基本方向 農業や伝統工芸など地域の地場産業の支援育成による基盤強化を図るとともに、各産業の連携による地域ブランドの創出、これらを含めた歴史・文化・祭り、集落などの地域資源のブラッシュアップと有効活用による観光産業の振興など産業全体への波及効果をもたらす取組を推進します。 ■取組事業 ①新規就農総合支援事業 ○次世代の農業者になることを志望する者に対して、就農開始直後の経営確立を支援する資金を交付し、経営感覚に優れた次世代の担い手を育成・確保します。 ②スマート農業推進事業 ○農業者の負担軽減や生産性向上を図るため、ドローンやAI※4等の先端技術を活用した「スマート農業」を推進します。また、農水省が実施している「次世代型農業支援サービス」等の活用を促します。 ③南風原町6次産業化推進事業 ○アグリチャレンジ普及推進事業の実施により、マンゴージャムとジュース、かぼちゃスープ等を「ふるさと博覧会」や「南風原物産展」、「花と食のフェスティバル」にて紹介と販売し、「ふるさと納税」の「返礼品」として出品、商品化が実現しています。反面、雇用創出につながるまで事業拡大に至っていないため、今後は事業拡大に向け、販路先の拡大等の支援を行います。 ○引き続き、農業を基軸に、他産業との連携による新商品や特産品の開発、医療施設や高齢者等へのケータリングサービスなどの医福食農の連携、ひまわり畑やイモほり体験などの農業と観光・教育との連携など、本町における農業の6次産業化※5の可能性について検討します。 ④食を通じた地場産業振興事業 ○ヘチマ、スターフルーツ、かぼちゃ等の農産物について、農業の6次産業化との連携を図りながら、地元の農産物を活用した料理教室、管理栄養士や野菜ソムリエ、飲食店等との連携、給食における地産地消の推進など、食を通じた地場産業の振興を図ります。 ○学校給食における地域農産物の提供食数は年々増加していますが、大量の食材について品質を落とさず長期安定供給できる体制を維持できることが課題となっています。食材の購入価格や、食材品目及び供給量について、地域農産物供給元であるJAと協議し、進めていきます。 ⑤中小企業・小規模企業振興推進事業 ○「南風原町中小企業・小規模企業振興条例」に基づいた中小企業・小規模企業振興協議会を開催し、既存の町内事業所の経営基盤強化、販路拡大や新規創業支援等、振興施策の検討を行います。 ⑥企業版ふるさと納税事業 ○「企業版ふるさと納税※6」制度を活用した地方創生事業に取り組みます。 ⑦伝統工芸産業の振興事業 ○地域の伝統工芸である琉球絣・南風原花織が産業として自立し、将来にわたって継承されるよう、町民や事業者及び行政が一体となり琉球絣・南風原花織の振興策について検討を行います。 ○琉球絣事業協同組合にて後継者育成事業を行っており、研修後は各工房で働く担い手が増えますが、原材料等の高騰・消費税率上昇等による収入の減少により離職率が高い状況となっています。各工房や組合の売り上げを上げるために補助金等を活用し販路開拓や需要拡大を図ります。 ⑧かすり会館来館関係事業 ○琉球かすり会館にて琉球絣・南風原花織の製作工程の見学や、様々な映像資料をとおした学習、琉球絣事業協同組合が開発した商品などを紹介することで、伝統工芸品としてのブランド力を高め、町内外からの集客の増加を図ります。 ⑨南風原町観光振興推進事業 ○「南風原町観光振興計画」に基づき、事業効果や波及効果、農業や伝統工芸、集落整備、情報発信など相互の関連性等を踏まえ、一体的・戦略的に取り組む施策の抽出、事業者や町民が主体的に取り組むモデル事業の構築、観光まちづくりを推進するための人材教育、観光DX(デジタル技術を活用した観光振興)など、地域づくりの視点に立った効果的な観光振興を推進します。 ⑩南風原文化センター事業 ○歴史・文化に関するそれぞれの課題やテーマについての調査研究に基づく常設展示、企画展、講演会、ワークショップなどを開催します。 ○オンラインで展示物を見学できる仕組みを検討します。 (2) 新産業用地の整備促進 ■施策の基本方向 高規格道路による交通アクセス条件の良さなど、本町の立地特性を生かし地場産業の受け入れや新たな企業の誘致先として新規産業用地の整備を促進します。 ■取組事業 ①戦略的企業誘致整備促進事業 ○本町の産業構造及び今後の動向を踏まえ、町全体の産業振興に関する業種を洗い出し、戦略的に育成及び誘致すべき企業の抽出を行います。また、企業の誘致先として那覇空港自動車道南北IC周辺地区やその他の区域の土地利用ニーズを踏まえ、関係者と連携し取組を強化します。 ○「南風原町中小企業・小規模企業振興基本条例」及び中小企業振興策との整合を図ります。 (3) 雇用支援 ■施策の基本方向 「南風原町中小企業・小規模企業振興基本条例」に基づき、雇用環境の向上や学校におけるキャリア教育の実施など就労支援の充実を図ります。 ■取組事業 ①雇用・就労支援事業 ○雇用サポートセンターを運営し、町内外の企業と町内の求職者の情報提供を行い雇用の促進を図っています。求人・求職ともに応募はありますが、目標値までのマッチングに至っていないため、ベースとなる求人・求職者数を増やすための方法を検討するとともに、町商工会と連携した取組を推進します。 ○学校と地元企業の連携により、児童や生徒への職場体験を実施することで地域の仕事に対する理解を深めるなど、就労に関する支援を行います。 目標2 若い世代の子育て環境をととのえる (1) 子どもが安心して育つ環境づくり ■施策の基本方向 子どもが安心して育つ環境の充実に向け、保育基盤の拡充、貧困、不登校、非行などにより、子どもが社会的に孤立することを防ぐとともに、行政と地域、NPO、民間企業等との連携による成長に応じた切れ目のない支援体制の構築を図ります。 ■取組事業 ①待機児童解消と保育基盤整備事業 ○南風原町子ども・子育て支援事業計画に基づく待機児童の解消に向け、「新子育て安心プラン」(令和3年度(2021)~令和6年度(2024))の実施、新たな保育所の整備、保育所の分園や増改築・改修、保育士の確保、既存保育所定員の見直し等により、保育を必要とする需要に対して保育定員の確保を図ります。 ○デジタル技術を活用し、保育士の業務負担の軽減や質の向上を図ります。 ②子どもの健やかな成長を支える環境整備事業 ○子どもの成長過程に合わせた切れ目ない支援を行うため、コーディネーター等の人材育成並びに人材の配置を行います。障がいなど、特に支援を必要とする子どもについても同様に、出産から保育、小学校、中学校、高校及び就労など、成長の節目において情報をつなぎ切れ目ない支援体制を整えます。 ○令和4年(2022)4月に設置した子ども家庭総合支援拠点を活用し、孤立している若年妊産婦やハイリスク世帯等について、子どもや保護者に寄り添った支援を継続して行います。 ○「子育て世代包括支援センター※7」と「子ども家庭総合支援拠点※8」の機能を一体化した「こども家庭センター」を設置し、デジタル技術も活用し相談援助等を行います。 ③こども医療費助成の充実事業 ○子どもの健やかな成長を支えるため、高校生(18歳)までの医療費無料化と、医療費の自己負担分を病院で支払わずに済む制度(現物給付)を継続します。 ④子どもの貧困、社会的孤立の防止に向けた支援体制の構築事業 ○社会的孤立の防止に向けた町独自の施策として、町社会福祉協議会や県の機関との連携により、児童館の新たな活用も検討しながら、学童クラブやNPOなどの地域資源を活用し、包括的な事業展開を図ります。 ○子どもの貧困対策に向けても同様に、NPO等を活用し、生活指導、学習支援、食事の提供、キャリア形成(職場体験等)、生活支援、見守りなど包括的な支援を実施します。また、貧困の連鎖を防ぐため、若年妊産婦への支援も強化します。 ⑤生活困窮世帯に対する支援の充実事業 ○生活困窮世帯の経済的な負担の軽減を図り、社会的自立が確立できるように支援します。 ○就学援助制度における対象費目の拡充を検討します。 ⑥仕事と子育ての両立推進事業 ○ワーク・ライフ・バランスの推進等により、男女ともに育児を行いながら継続して就業し、活躍できる職場環境づくりを促します。 (2) 生きる力を育む教育環境の充実 ■施策の基本方向 持続可能なまちづくりを推進するためには、次代を担う子ども達自身が生きる力を育み、将来の"南風原町"を継承していくことが重要です。そのため、幼稚園・小中学校における自主的な学びの支援や多様な働き方を見据えたキャリア教育等を実施し、子ども達の生きる力を育む教育環境の充実を図ります。 ■取組事業 ①幼稚園・小中学校における教育環境の充実事業 ○一人ひとりの違いを認め合い、支え合う気持ちを育むなど、教育環境の充実を図ります。幼稚園においても、子ども・子育て支援新制度に基づき複数年保育に移行するなど幼児教育の充実も求められているため、幼稚園・小中学校において、自主的な学びの支援につながる教育環境の充実を図ります。 ②教育DXの推進事業 ○校内通信ネットワークの整備や、児童生徒1人1台端末の整備・活用を継続して行い、GIGAスクール構想の実現を図ります。 ③次代を担うひとづくりに向けた学習機会等の拡充事業 ○将来のまちづくりの担い手の育成、多様な働き方を見据えたキャリア教育など、地元の企業や専門家など幅広い人材の力を借りながら、本町における学習機会や体験機会の拡充を図ります。 目標3 安全・安心な暮らしを実現し住み続けたいと思える地域を形成する (1) 安全・安心な暮らし ■施策の基本方向 地震や台風など自然災害への対応や、複雑化・多様化する犯罪への対処など地域の防犯対策の促進を図ります。 また、誰もが安心して都市生活を送ることができるバリアフリー※9のまちづくりなど、安全・安心な暮らしを実現するため施設整備等の充実をはじめ、地域コミュニティの強化による地域の支え合いを促します。 ■取組事業 ①自主防災組織と地域防災リーダー育成事業 ○地域(各字・自治会)、学校における避難訓練等を通し、防災意識の向上を継続的・実践的に推進するため、自主防災組織の設立及び訓練等を支援します。また、その活動の中心となる地域防災リーダーの育成を図ります。 ②災害時要援護者の情報把握及び支援体制づくり推進事業 ○自治会や町社会福祉協議会並びに民生委員等と協力し、災害時要支援者名簿の更新、災害時要支援者個別支援計画の作成、高齢者や障がい者の施設と福祉避難所の協定締結等を推進します。 ○要支援者への災害時の情報伝達手段等、地域の実情に沿った支援体制づくりを検討します。 ③安全・安心な地域環境づくり推進事業 ○引き続き、町民への防犯・防災意識の向上への取組をはじめ、防犯灯や交通安全施設の設置など、地域における安全・安心な環境基盤づくりを地域と協働し取り組みます。 ○各字・自治会や各種団体との継続的な連携、「子ども110番の家※10」登録店舗の活用によるマンパワーの確保と育成を図ります。 (2) 住み続けたい地域 ■施策の基本方向 景観行政の取組を推進し文化が薫り潤いのある都市環境の形成や廃棄物のリサイクルなど地球環境に配慮した循環型社会の構築を促すとともに、公共下水道(汚水・雨水)及び浄化槽の整備により生活の質を向上します。 また、公共交通など都市の利便性の向上を図り、誇りと愛着を持ち自らがまちづくりの主役として活躍できる、住みやすい地域づくりを推進します。 ■取組事業 ①住まいの確保推進事業 ○「南風原町都市計画マスタープラン」等との整合を図りつつ、新たな住宅用地の確保を図ります。 ②下水道・浄化槽整備事業 ○公共下水道(汚水)は、土地区画整理事業や道路整備事業等の基盤整備と連携し整備を行い、あわせて人口集中地区※11の整備を推進します。また、下水道への接続促進に取り組みます。 ○公共下水道(雨水)は、土地区画整理事業と連携を図りながら整備を行い、さらに浸水地域について重点的に整備を推進します。 ○地形等の要因により下水道が整備できない地域については、浄化槽の整備を推進します。 ③住み良い住環境を目指した循環型社会の促進 ○「循環型社会」の構築については、町民の意識を高めることが重要であり、継続した啓発活動等を行い、町民・事業者・行政の協働により推進します。 ④多様な人材の活躍推進事業 ○町内の豊富な経験や知識を有する多様な人材については、人材バンク(学校応援隊はえばる)等の充実を図り、新たな活用の場の可能性を調査研究し、適材適所での活用に努めます。 ○性別、年齢、障がいの有無、国籍、文化、性的指向・性自認などに関わらず、すべての町民が自由で対等に交流できる多様性(ダイバーシティ※12)を尊重する社会に向けた気運の醸成を図るとともに、女性や若者に選ばれる地域づくりを推進します。 ⑤若者の選挙啓発事業 ○小学校から選挙啓発事業を充実させ、政治・社会への関心を高め、地域づくりの担い手としての意識づけを行い、投票率低下の抑制を図り地域活性化へつなげます。 ⑥自治会活性化事業 ○本町は地縁型コミュニティを基本としていますが、自治会未加入者の増加がみられることなどから、自治会の役割や地域コミュニティの全体像のあり方を明確にする時期にあります。区長会において自治会加入促進や自治会活性化等の取組について協議し、本町に適した事業や手法について検討を行います。 ⑦協働のまちづくり推進事業 ○はえばる大学、出前講座等を通じて自らが考え行動する住民を育成します。 ○「課題解決型」のテーマ別で活動している団体の活動実態を把握し、“手上げ方式等の手法”により、町及び他団体が実施する助成事業等を活用することでまちづくりを推進する取組を支援します。 ○公民館・図書館等の社会教育施設におけるデジタル技術の活用により、デジタル社会に対応できる地域人材を育成します。 ⑧公共交通の整備検討事業 ○本町は公共交通ネットワークが脆弱で、幹線道路から外れた地域では、公共交通不便地域が広がっています。今後は、高齢化や免許返納などによる交通弱者の増加が想定され、隣接市町と連携して新たな公共交通システムの導入、町域内では支線公共交通システムの導入の検討を行い、誰でも公共交通が利用しやすい環境整備を図ります。また、公共交通分野に係るデジタル技術の活用を検討します。 (3) 町民の健康づくり ■施策の基本方向 町民が生き生きと健康で生活するため、高齢者やその家族が健康づくりに関心を持って、生活習慣病や介護の予防に取り組めるよう、情報提供、健診等の実施、運動機会の提供、コミュニティへの参画等を支援します。 ■取組事業 ①ライフステージを通じた健康づくり支援事業 ○本町では働き盛りの世代(青壮年期)が健康課題を抱えており、大人の生活習慣は小児期の生活習慣が大きく影響することから、将来的な人口増加、高齢化の進展を見据え、ライフステージを通じた健康づくりを支援し、全町民の健康に対する意識の底上げを図ります。さらに、本町の生活習慣病の根底にあるメタボリックシンドローム該当者・予備群の割合を減少させます。 ②生活習慣病の発症並びに重症化予防の推進事業 ○特定健診、保健指導を中心に町民の健康づくりを支援し、生活習慣病の発症を予防します。また、本町は生活習慣病が重症化し「虚血性心疾患・脳血管疾患・透析」に繋がっている実態があるため、保健指導、医療機関との連携、二次健診等を通して、重症化予防を図ります。 ③高齢化の進展を見据えた健康づくり、介護予防事業 ○将来的な人口の増加において、高齢者の増加が予測されているため、今後の高齢化の進展を見据え、健康づくり、「介護予防・日常生活支援総合事業」(ミニデイ、ちゃーがんじゅう教室等)の充実を図ります。 ○高齢者の増加に伴い、一人暮らし高齢者や高齢者のみ世帯が増加する傾向にあり、住み慣れた地域で暮らし続けていけるように、ニーズを踏まえた上で、必要となる医療・介護・予防・住まい・生活支援が包括的に確保されるよう地域包括ケア体制の構築を図ります。 横断的目標 自治体DXを推進し、新しい時代の流れを力にする ■施策の基本方向 AIやIoT※13の導入や活用、デジタル化等の推進などの先端技術を活用することは、少子高齢化や地域の課題解決にも繋がる有効な手段であることから、あらゆる分野においてその活用を推進します。 また、国際社会の普遍的目標として、「誰一人取り残さない」を基本理念とする「持続可能な開発目標(SDGs)」を意識した取組を進め、新たな時代に対応した持続可能なまちづくりを推進します。 ■取組事業 ①マイナンバーカードの普及促進・利活用拡大 ○利便性の高いデジタル社会を実現するため、マイナンバーカードの健康保険証との一体化、オンライン行政サービス等により、マイナンバーカードの普及促進と利活用シーンの拡大に努めます。 ②ICTの活用 ○製造業等のIT※14技術を活用した産業高度化、AI、IoT等の先端IT技術を活用した新ビジネス創出等への支援に努めます。 ○教育分野におけるICT※15教育の推進、プログラミング教育等に対応できる人材育成を図ります。 ○行政事務におけるAIやIT技術の活用により、業務の効率化、公文書の電子化、オープンデータの充実等により自治体DXを推進します。 ③デジタル人材の育成・確保 ○国や県が実施するDX人材確保育成支援事業等を活用し、デジタル人材の育成・確保に努めます。 ④SDGsの推進 ○施策全体をSDGsの理念に沿って進めることにより、地域課題の解決を図ります。 第4章 計画の推進及び検証体制 1 計画の推進体制 総合戦略の推進にあたっては、庁内はもとより広く関係者の意見を反映させるため、住民をはじめ、デジタル分野に精通する団体・有識者や産官学金等で構成される「南風原町まち・ひと・しごと創生総合戦略審議会(以下「審議会」という。)」の活用を図ります。 2 評価・検証の方法 基本目標で設定した目標値や施策の基本方向で設定した重要業績評価指標(KPI)の進捗確認を行います。 PDCAサイクルにより、数値目標を活用した施策の達成状況や実施状況について、効果の検証を行うとともに、その妥当性や客観性を担保するため審議会による検証を行い、必要に応じて施策の見直しや総合戦略の改定を行います。 計画推進・検証のPDCAサイクル 3 関係自治体との連携 総合戦略において、連携により効率性・有効性が向上する事業については、県及び他自治体等との連携を行い、地方創生に取り組みます。 資料編 1 計画策定の経緯 日付 会議名等及び主な会議内容 令和3年 (2021) 5月26日 ~7月27日 ●「南風原町総合計画に関するアンケート調査(一般)」 対象:町内在住の18歳以上の方から無作為に抽出した2,800人 5月 ●「南風原町総合計画についてのアンケート調査(小学生)」 対象:南風原町立小学校(南風原、北丘、津嘉山、翔南)の5・6年生992人 5月 ●「南風原町総合計画についてのアンケート調査(中学生)」 対象:南風原町立中学校(南風原、南星)の1・2・3年生1,400人 6月~8月 ●南風原町まち・ひと・しごと創生総合戦略の効果・検証の実施 (令和3年) 8月~ (令和4年) 10月 ●第五次南風原町総合計画後期基本計画策定を踏まえて南風原町人口ビジョン及び南風原町まち・ひと・しごと創生総合戦略の次期計画策定について検討 令和4年 (2022) 12月16日 ●南風原町まち・ひと・しごと創生総合戦略推進本部会議 ・審議:南風原町人口ビジョン(改訂版)及び第2期南風原町まち・ひと・しごと創生総合戦略について 令和5年 (2023) 1月20日 ~2月8日 ●南風原町人口ビジョン(改訂版)及び南風原町デジタル田園都市国家構想の実現に向けた第2期まち・ひと・しごと創生総合戦略(案)に対する意見公募(パブリックコメント)の実施 2月2日 ●第1回 南風原町まち・ひと・しごと創生総合戦略審議会 ・審議会委員委嘱 ・会長及び副会長の選出 ・南風原町人口ビジョン(改訂版)及び南風原町デジタル田園都市国家構想の実現に向けた第2期まち・ひと・しごと創生総合戦略(諮問) ・審議: 南風原町人口ビジョン(改訂版)及び南風原町デジタル田園都市国家構想の実現に向けた第2期まち・ひと・しごと創生総合戦略について 2月9日 ●第2回 南風原町まち・ひと・しごと創生総合戦略審議会 ・審議: 南風原町人口ビジョン(改訂版)及び南風原町デジタル田園都市国家構想の実現に向けた第2期まち・ひと・しごと創生総合戦略について ・南風原町人口ビジョン(改訂版)及び南風原町デジタル田園都市国家構想の実現に向けた第2期まち・ひと・しごと創生総合戦略(答申) 2 南風原町まち・ひと・しごと創生総合戦略審議会 (1)南風原町まち・ひと・しごと創生総合戦略審議会委員名簿 任期:令和5年2月2日~令和7年2月1日まで 区分 № 職名等 氏名 備考 住民 1 町民公募 宮城(みやぎ) 俊(とし)大(ひろ) 2 町民公募 新垣(あらかき) 夏(なつ)美(み) 3 町民公募 喜久里(きくざと) 忍(しのぶ) 産業界 4 南風原町商工会 会長 金城(きんじょう) 宏(ひろ)孝(たか) 5 沖縄県農業協同組合 南風原支店長 仲里(なかざと) 誠(まこと) 6 株式会社近代美術 代表取締役社長 大城(おおしろ) 恵美(えみ) 副会長 教育機関 7 沖縄大学経法商学部 経法商学科教授 島袋(しまぶくろ) 隆志(たかし) 会長 金融機関 8 株式会社琉球銀行 南風原支店長 金城(きんじょう) 守(まもる) 9 株式会社沖縄銀行 南風原支店長 長嶺(ながみね) 初(はじめ) 労働団体 10 イオン琉球労働組合 中央執行副委員長 東江(あがりえ) 聡(さとる) (2)諮問 (3)答申 3 年齢5歳階級別人口の見通し