琉球王国の歴史と文化を象徴する首里城の早期再建を求める意見書
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去る10月31日午前2時35分ごろ、沖縄県那覇市にある首里城で火災が発生し、御庭(うなー)を囲む正殿、北殿、南殿の主要建造物と書院・鎖之間(さすのま)、黄金御殿(くがにうどぅん)、二階御殿(にーけーうどぅん)、奉神門の7棟、あわせて約4800平方メートルと琉球王国の多数の美術工芸品が焼失し、県民に深い悲しみと強い衝撃を与えている。 沖縄は、あの苛烈な沖縄戦によって、20万人余りの尊い命が奪われるとともに、国宝文化財22件すべてを失い、琉球王国の歴史と文化を象徴する首里城をはじめ、先人から引き継いできた歴史的な重要文化遺産が焼失・破壊された。 そこで、国は、戦災文化遺産である首里城の復元を求める県民の運動に応えて、1992年、沖縄の日本復帰20周年を記念して、琉球王国の歴史と文化の象徴である首里城の正殿、北殿、南殿などを復元し、国営沖縄記念公園・首里城地区『首里城公園』として一部を開園、その後も順次整備を行い、本年2月の御内原(おうちばら)の完成で全エリアを公開した。 沖縄県民は、琉球王国の文化遺産の復元と伝統文化の保存継承には強い思い入れがあり、復元された首里城は、沖縄の文化の発展、万国津梁としてアジアを結ぶ貿易と平和交流の架け橋を願うウチナーンチュの心のよりどころとなっている。 2000年12月には、首里城跡をはじめ、県内9カ所の文化遺産が中国と日本の築城文化を融合した独特の建築様式や石組み技術、文化的景観等には高い文化的・歴史的価値があるとされ、「琉球王国のグスク及び関連遺産群」として日本で11番目の世界遺産に登録されている。 世界に誇る琉球王国の貴重な歴史的文化遺産を回復する目的で復元された首里城は、新たな県民文化の創出と伝統技術の継承・発展を図り、歴史的風土探訪の場として、年間約280万人の観光客を集めるなどの大きな役割も担っている。 しかし、今回の火災によって、その新たな役割とともに沖縄の文化、観光、経済の発展、文化遺産の復元保存などにも重大な影響を及ぼす事態となっている。 よって本町議会は、県民が切望する琉球王国の歴史と文化を象徴する首里城の早期再建を実現するよう下記事項を強く要請する。
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1 首里城の早期再建をめざし、国と県及び関係機関が連携して日本復帰 50周年を迎える2022年までに防火・防災に強い再建基本方針、基本計 画等を策定すること。 2 一刻も早い首里城の再建の実現に向けて特別な財政措置を実施し、琉 球王国の歴史的文化遺産の再生と計画的再建を推進すること。 3 県民の皆様をはじめ、首里城の再建を願う多くの皆様と心ひとつに取 り組むこと。
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以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出します。
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あて先
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衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、内閣官房長官、国土交通大臣、沖縄及び北方対策担当大臣、文部科学大臣、文化庁長官、沖縄県知事
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琉球王国の歴史と文化を象徴する首里城の早期再建を求める意見書.pdf(85.4KBytes)