所得税法第56条の廃止を求める意見書 |
中小企業は、地域経済の担い手として、日本経済の発展に貢献してきました。 その中小零細業者を支えている家族従業員の「働き分」(自家労賃)は、所得税法第56条により「配偶者とその親族が事業に従事したとき、対価の支払いは必要経費に算入しない」と定められており、必要経費として認められていません。 これは、事業主の所得から控除される働き分が白色申告制度によることが多いためでありますが、その場合は、配偶者で86万円、家族の場合で50万円が控除されることになるため、家族従業者はこのわずかな控除を所得とせざるを得ず、社会的にも経済的にも全く自立が困難な状況となっています。このため、家業を手伝いたくても手伝えないことになり、後継者不足の一因ともなっています。 一方、青色申告にした場合は、専従者として給与の支払いを受けることができ、必要経費と認められることになるため、同じ労働に対して大きな矛盾を生み出しています。 また、民法、労働法及び社会保障の観点から見た場合に、家族従業員の人権の保障上の問題も生じています。 そのため、ドイツ、フランス、アメリカなど世界の主要国では、「自家労賃は必要経費」として認めており、近年、我が国でも見直しを求める機運が高まっています。 よって、政府におかれましては、所得税法第56条を早急に廃止するよう要請します。 |
以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出する。 |
平成27年(2015年) 6月19日 |
沖縄県島尻郡南風原町議会 |
あて先 | 内閣総理大臣、財務大臣、法務大臣、衆議院議長、参議院議長 |
所得税法第56条の廃止を求める意見書.pdf(92.6KBytes)