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「生活保護基準引き下げ」中止を求める意見書

2014年10月16日

「生活保護基準引き下げ」中止を強く求めるとともに申請権・受給権を保障し、

申請拒否、就労強要、扶養強要などの「人権侵害」は行わないことを求める意見書

 

  政府は、国民の反対の声を無視し、消費税増税や年金支給額引き下げ、昨年8月に続き4月から2回目の生活保護基準引き下げを強行しましたが、全国では、当事者である1万人余が生活保護基準引き下げに反対する審査請求を行いました。また、1,000人を超える学者・研究者、弁護士や有識者など関係者が基準引き下げと生活保護法改正に反対を表明しています。生活保護基準引き下げは、就学援助をはじめとする低所得者への施策や最低賃金、住民税の非課税限度額の根拠となっており、保育料など、福祉、医療サービスの負担金など広範な県民生活に多大な影響を及ぼします。

 現在の「生活保護費」では、生活費を切り詰め、親戚・友人などとの冠婚葬祭にも出席できず、健康で文化的な最低限度の生活が維持できない状況です。これ以上の生活保護費引き下げは、憲法違反の人権侵害です。生活保護世帯の8割は高齢者世帯と病気・障がい者世帯、母子世帯です。
 県内の65歳以上高齢者の生活保護受給の割合が全国2番の4.93%(2011年)に達することがマスコミでも報道されています。沖縄で生活保護受給割合が高い理由は、戦後27年続いた米軍統治で年金制度への加入が遅れ無年金や低年金者が多いことや県民所得の低さが影響し、20人に1人が生活保護を受けていると報じています。
 働いても貧困から抜け出せない年収200万円以下の働く貧困層(ワーキングプア)が全国で1000万人を超えていることが大問題になっています。県内では、必要最低限の生活を保つ収入がない人の割合を示す「絶対的貧困率」と、就業世帯のうち所得水準が最低生活水準以下の貧困就業世帯を示す「ワーキングプア率」がいずれも全国ワースト1位となっていることが報道されています。2007年の絶対的貧困率は、沖縄29.3%で全国平均の14.4%の2倍以上となっています。ワーキングプア率は、沖縄20.5%、全国平均6.7%で全国の3倍となっています。
 貧困世帯のうち、生活保護を受けている世帯の比率(捕捉率)が県内では9.8%、全国平均14.3%より低い状況です。「働きたくても仕事がない」「フルタイムの仕事がなく収入が極端に少ない」など厳しい雇用状況のなかで働き盛りの生活保護受給者が急増しています。
 生活保護法改正については、国会審議でも厚労大臣や厚労省が「今までと変わらない」と繰り返し答弁し、参議院の厚生労働委員会で「附帯決議」がつけられました。「附帯決議」は、「生活保護制度は、憲法25条が規定した『健康で文化的な最低限度の生活』をすべての国民に保障するための最後の砦であり、本法に基づいて保護が必要な国民に確実に保護を実施する必要がある」とし、「申請権侵害の事案が発生することのないよう申請行為は非様式行為であり、障害等で文字を書くことが困難な者等が口頭で申請することも認められるというこれまでの取り扱いや、要否判定に必要な資料の提出は可能な範囲で保護決定までに行うというこれまでの取り扱いに今後とも変更がないことについて、省令、通達等に明記の上、周知するとともにいわゆる『水際作戦』はあってはならないことを地方自治体に周知徹底すること」としてます。

 憲法第25条が規定した健康で文化的な最低限度の生活をすべての県民に保障する立場で意見書を提出します。

 

 記

1、人権侵害となる生活保護基準引き下げを中止すること。

2、生活保護法の「附帯決議」の趣旨を周知徹底すること。

3、熱中症予防の立場から「夏季加算」新設を要求するとともにクーラー設置支給を実現すること。

 

  以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出する。
平成26年(2014年)10月15日
沖縄県島尻郡南風原町議会

 

あて先  厚生労働大臣

 意見書第6号.pdf(130KBytes)